はじめに:他社の「成功事例」をなぞって消耗していませんか?
「Google Cloudの生成AI事例集が出た!これでうちの業務も自動化できる!」
そう意気込んで、見よう見まねでプロンプトをコピペしてみたものの、想定とは全く違うポンコツなアウトプットが出てきて絶望した……。そんな経験はありませんか?
実は、他社の成功事例(プロンプト)をそのまま自社にあてはめようとするのは、大きな損失を生んでいます。うまくいかないたびに 「やっぱりAIは使えない!」 と諦め、結局すべてを手作業でやり直すハメになっているからです。
今日お伝えするのは、どんな事例集よりも強力な 「自分専用のAIコンテキスト(文脈)の作り方」 という、驚くほどシンプルな解決策です。
ストーリー:”最強プロンプト探し”を止めた日のこと

以前の私も、ネットで見つけた「最強プロンプト」をコピペしては、「なんか違う…」と頭を抱え、結局自分で一からドキュメントを書き直す日々でした。
しかしある日、上手くいっていない原因はプロンプトのテクニック(魔法の呪文)ではなく、「私の文脈(コンテキスト)」をAIに渡せていなかったからだと気づいたのです。
そこから、Obsidianなどのメモアプリを使って「自分の文脈」を素材として集め、AntigravityやCursorなどのAIツールに読み込ませるようにしました。それ以来、AIのアウトプット精度は劇的に上がり、まるで長年連れ添った優秀なアシスタントのように動いてくれるようになったのです。
好奇心:実は「指示」より「前提の共有」が9割だった

多くの方が誤解していますが、AIへの入力で最も重要なのは「何をさせるか(指示)」ではありません。
「どんな前提で、どんな資料を元にするか(コンテキスト)」
です。
良質なコンテキストには、以下の3要素が不可欠です:
目的・ゴールを明確に(誰に・何のために)
満たすべき要件を具体的に(文字数・トーン・構成)
参考資料を一緒に渡す(過去のメモ・専門知識)
事例集のプロンプトが機能しないのは、この 「3. 参考資料(自社の前提知識)」が決定的に欠けている からなのです。
ロードマップ:3ステップで実現するドキュメント作成革命

ここからは、実際に私が実践している「自分専用コンテキストセット」を使ったドキュメント作成フローを公開します。
Step 1: 準備 - 「メモアプリ」に素材をストックする
まずはメモアプリなどを使って、日々の気づき、過去のプロジェクト資料、ボツになったアイデアなどを蓄積しておきます。綺麗に整理する必要はありません。
💡 ここがポイント:人間は「完璧に整理しよう」とすると行動を先延ばしにする生き物です。まずは「ポイポイ放り込むだけ」で十分だと思い込むことで、認知負荷を下げましょう(現状維持バイアスの打破)。
資料を作りたい時は、AntigravityやCursorなどのAIツールを開き、Step1で溜めたメモアプリから必要なメモを読み込ませます。その上で、以下のようなチャットをAIに投げかけます。
あなたは私の優秀なアシスタントです。以下の【参考資料】と【要件】を読み込み、提案書を作成してください。
【要件】
- 目的:忙しい決裁者に、新プロジェクトの承認をもらうこと
- トーン:です・ます調、論理的かつ情熱的に
- 構成:背景・課題・解決策・スケジュールの4段落
【参考資料】
(ここにメモアプリから抽出した過去のメモや議事録を貼り付け、またはファイルを読み込ませる)
Step 3: 定着 - 未来の自分へのプレゼント
見事なドキュメントが完成したら、その「AIとのやり取り(どんな前提を渡したら上手くいったか)」自体を、再びメモアプリに保存しておきましょう。これが次に別のタスクを行う際の、さらに質の高い「コンテキスト」へ成長していきます。
おわりに
